[投資本レビュー]バリュー投資の強化書 著者:角山智
バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~
企業分析をきっちりやって、株への投資をしたい人なら、とてもタメになる本。
一方で、内容がかなり深いため、ななめ読みで気楽に読める本ではない。
けっこう気合がいるので、バリュー投資にある程度の興味がないと、読みきれないかも・・・
投資を始めたばかりで、決算書そのものに慣れていない人は、この本だと挫折しかねないので、もっと初心者向けの決算書の読み方本を読んでからのほうがいいと思います。
私が読んだことある本の中では、同じ著者の「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」か「あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編」がおススメ。
◆バリュー投資の強化書の内容
決算書の読み方の手順やポイントを丁寧に順を追って解説してくれている。
この本にまとめられている、決算書の分析フローに従って、ひとつひとつ分析をして読みこなしていけばいいわけだが、慣れないうちは、けっこう大変そう・・・・。
でも、決算書分析事例を読むと、危ない会社の予兆いうのは、決算書のこんなところに隠されているんだというのが分かり、パズルを解くような面白さを感じてくる。
~決算書の分析フロー~
ステップ1 利益、資産、CFのバランスをチェック
バランスよく成長しているか、過去5年の推移はどうか、ROIC、アクルーアルズ、CFROA
ステップ2 賃借対照表の時系列分析
利益は出ているか、儲かっているか、製品は売れているか、設備投資はできているか、借り入れ金は経ているか
ステップ3 損益計算書で「利益の質」をチェック
賃借対照表との関係、会計基準、売上債権回転月数、棚卸資産回転月数、減価償却方法
ステップ4 キャッシュ・フロー計算書で「姿勢」をチェック
営業CFを稼いでいるか、設備投資は適正か、M&Aや財テクに走ってないか、資金は足りてるか、手元のキャッシュは増えているか
以上について、決算書のどこを見ればいいのか、ひとつひとつ解説があるため、第2章は、かなり退屈(笑)。でも、これがないとダメだしね~~ 基礎トレは、いつの時代も地味の積み重ねです。
第2章は、さっと用語を確認するつもりで読み、8章のケーススタディを読んでいき、分からないところは、そのつど第2章に戻って読むのが、効率よいと思います。
あとは、自分で実際に興味がある企業の決算書を読むときに、この本を手元において、手順に従ってみていくのに使うのがよいのではないかと。
決算書の読み方以外に、バリュエーションの判断の仕方や良いビジネスかどうかを判断するための定性分析についても。
個人的には、PMVとカタリスト、定性分析は実際には使えるかどうか、ちょっと微妙な感じ。
「潮の流れ」を読む方法と「市場心理」の項目は、ここ数年の相場とあわせて読むと、すごくよく分かります・・・・ 投資専門じゃない雑誌で取り上げれるようになったら、中国株も天井かな。(思えば、サ○デー毎日から取材を受けた2007年9月が、前回の天井だった・・・)
日本株の場合、この本の手順に従って企業分析をしていくのは、けっこう面白そうです。 データも、MSNマネーとかで簡単に取れるし。
でも中国株とかだと、ここまで細かいデータを手に入れるには、証券取引所とかで情報を取らなくてはいけないので、ちと面倒だし語学の壁が・・・^^; まあ、これも慣れちゃえば、そんなでもないんでしょうけど。
逆に中国株だと、そういう正攻法の企業分析が通用しない部分も多いので、この本でやっているところまでは、やる気はしないかな。四半期速報や二季報で見れるデータだけで十分かと個人的には思います。
そのほか、この本を読んで、気になったところのメモ。
・棚卸し資産に注意! 利益水増しかもしれないぞ。
・米国バリューファンドの投資銘柄チェックは面白そう。
EDINETの大量保有報告書を検索したりするらしい。具体的なファンド会社としては、ハリス・アソシエイツ、ブランデス・インベストメント・パートナーズ(日本のAIG株式オープンに運用アドバイスしている)など。
・有形固定資産の減価償却法を定率法から定額法に変更すると、見せかけ上の利益が増える。
・数字の大きい項目、変化の激しい項目を重点的にチェック!
・独立監査人の監査報告書(有価証券報告書の最後についてくる)の追記情報は見逃してはならない。(ここに投資家への警告が隠されていることがある)
内容はイケイケじゃなく、地味にコツコツな内容なので、その点では面白みにかけるかもしれないけど、王道的な企業分析の本だと思います。
お値段はちょっとお高めなのですが、amazonだと安く出てることもあるので、チェックしてみてください。
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投稿者 summersnow : 2009年06月10日 22:40
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